
カラマンシー(学名: Citrus × microcarpa Bunge)は、東南アジア一帯で広く栽培されている小さな柑橘類です。果実は丸くコンパクトで種が少なく、若い果実は濃い緑色をしており、成熟するにつれて黄橙色へと変化していきます。熱帯性気候への適応力が高く、栽培しやすいことから一年を通して収穫が可能で、特にベトナムでは日常的な果実として親しまれています。
外見が似ていることから金柑(クムクワット/Citrus japonica)と混同されることもありますが、両者は異なる柑橘です。金柑は細長い形をして、果皮が厚く、皮ごと食べられるのに対し、カラマンシーは果皮・果肉ともにしっかりとした酸味があり、主に果汁として利用されます。香りの印象も異なり、金柑がやさしく甘みのある柑橘香を持つのに対し、カラマンシーはより生き生きとした爽快感があり、果皮由来のほのかな苦味がアクセントとなっています。

カラマンシー

クムクワット
小さな果実ながら、カラマンシーは日々の暮らしの中で非常に幅広く活用されてきました。澄んだ爽快感のある香りはドリンクに最適で、果汁や皮は家庭料理の風味を引き立てる名脇役として使われています。特に果皮には精油成分が豊富に含まれており、古くから咳を和らげる、痰を切る、消化を助ける、乗り物酔いを和らげる、空間の消臭など、生活の知恵として利用されてきました。
実用面にとどまらず、カラマンシーの木はベトナムの文化や精神的な暮らしとも深く結びついています。旧正月(テト)には、鉢植えのカラマンシー木が家庭に飾られ、幸運、繁栄、家族の団らんを象徴する存在として親しまれています。こうした縁起の良さから、地域によっては「ハイン(hạnhー幸)」という名でも呼ばれ、新しい一年への希望が託されています。
日常の食文化においても、カラマンシーは欠かせない存在です。刻んだ果皮を生姜入りの魚醤に加えたり、茹で鶏に散らしたりするだけで、料理全体がぱっと明るい香りに包まれます。暑い日には冷たいカラマンシージュースが喉を潤し、寒くなる季節には、はちみつや氷砂糖に漬けた果皮が喉の不調をやさしく和らげてくれます。使い終えた果皮も無駄にされることはなく、乾燥させて焚くことで、家の空気を整え、虫除けとしても活用されています。

Steamed calamansi with rock sugar

Calamansi marmalade
カラマンシー精油は、ひと嗅ぎした瞬間に気分が晴れやかになる、鮮やかで爽快なシトラスの香りが特徴です。キリッとした酸味の中にやさしい甘さが重なり、南国の陽光と澄んだ空気を思わせる、清涼感あふれる印象をもたらします。心身をすっきりと整え、思考をクリアにしたいときや、疲れを感じたときに特に心地よく寄り添ってくれる香りです。

ベトナム・メコンデルタに位置するドンタップ省は、カラマンシー(現地ではTắcータック、またはHạnhーハインとも呼ばれます)の主要な産地として知られています。温暖な気候、肥沃な沖積土、そして世代を超えて受け継がれてきた農業の知恵がこの土地ならではの果実の品質を育んでいます。
Read more: The Story of Green Mandarin
近年、カラマンシー栽培はドンタップ省の農家にとって、安定した収入源として注目されています。病害に強く育てやすいタックは市場需要も高く、従来の稲作に比べて経済的価値が高い作物とされています。実際に、稲の水田の一部をカラマンシー畑へ転換したことで、収入が大きく改善したと語る農家も少なくありません。


中でもライブンやサデックの地域は、観賞用カラマンシーの栽培でも有名です。職人の手によって丁寧に仕立てられたカラマンシーの木は、まるで生きた工芸品のような佇まいを見せます。旧正月が近づくと、こうした鉢植えのカラマンシー木が川を通じて各地へ運ばれ、春の訪れを告げる風景をつくり出します。
生果の販売に加え、果皮を精油へと加工することでカラマンシーはさらに高い付加価値を持つ作物となります。こうした加工は農家の収入機会を広げるだけでなく、地域に根ざした持続可能な農業の実現にもつながっています。カラマンシーは単なる果実ではなく、土地と人の暮らしを支える長期的な生計の基盤となっているのです。
aremeのカラマンシー精油はドンタップ省で育ったタックの果皮を用い、水蒸気蒸留によって丁寧に抽出されています。金柑に比べ、より力強い酸味と奥行きのある香りが特徴で、天然のリモネンを豊富に含んでいます。蒸留後の果皮は廃棄されることなく堆肥化され、周辺の果樹園や野菜畑、農地へと還されます。こうした循環型の取り組みにより、土壌を養い、廃棄物を減らす持続可能な農業が支えられています。

天然リモネンを豊富に含むタック精油は、抗菌・抗炎症・抗酸化といった性質を持つことで知られています。明るく爽快な香りは、疲労感を和らげ、気分を落ち着かせ、空間を清潔で心地よい状態へと整えてくれます。
主な効果:
- 空気の浄化、消臭
- ストレス緩和、気分のリフレッシュ
- 天然由来の抗酸化・抗菌作用
おすすめの使い方:
- ディフューザーで香り拡散:3〜5滴を加え、空間を爽やかに整えながらリラックス。
- 芳香吸入:ウッドインヘラーやaremeの香りカードに1〜2滴垂らしたうえでマスク等に挟んで香り付けてから、やさしく香りを吸い込む。
- 除菌スプレー:精油10〜15滴をアルコール(濃度70%以上)100mlに希釈し、テーブルやまな板などの拭き取りに。