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添加精油 ー 精油の偽和について

aremeでは「精油は100%ピュアかどうか」、「本物の精油の区別方法」などお客様に聞かれることがよくあります。精油を製造・販売するメーカーとして学んできました精油の「偽和(アダルテレーション)」についての情報を皆様と共有したいと思います。

※本記事の内容は、できる限り正確を期して作成されていますが、あくまで一般的な情報提供を目的としたもので、個別のご判断のもとご活用ください。

「精油の偽和」とは?

精油の偽和とは、精油に他の精油を混ぜたり、合成成分を加えたり、溶剤で希釈したりすることで、内容を改変・調整する行為を指します。私たちはこれらの精油を「添加精油」読んでおります。添加精油は一見して分かりにくい場合もありますが、香りや品質、安全性に影響を及ぼす可能性があります。

実はこのような偽和行為は、決して稀なことではありません。業界の調査や学術研究によると、市販されている精油の最大80%が何らかの形で混入されている可能性があると言われています。特にラベンダー、ローズ、フランキンセンスなど人気の高い精油はその対象になりやすいとされています。

なぜ偽和が起きるのか?

詐欺等不正な目的だけでなく、サプライチェーン上の現実的な供給事情から偽和が行われることもあります。

  • 生産コストの高さ:精油は数百〜数千キロの植物から、わずか1キロしか抽出できないこともあり、特にローズ精油の収率は0.01〜0.05%と非常に低いため、価格が高騰しがちです。
  • 作物の不作や気候の変化:干ばつや異常気象などにより原材料の収量が減ったり、成分組成が変わってしまうことがあります。
  • 不安定な供給と高まる需要:人気の高い精油(ラベンダーやフランキンセンスなど)は、自然の供給量が需要に追いつかないことがあり、品質や量を一定に保つために添加物が加えられることがあります。
  • 香りの均一化ニーズ:天然精油はロットによって香りに差が出ることがあります。これを均一化するために、意図的に調整が行われる場合があります。

このような背景を理解することで、「偽和」を単なる不正行為と捉えるのではなく、複雑な業界構造の一部として、より現実的な視点で向き合って、考えることができます。

偽和の代表的な手法

Here are some common types:

  • 合成香料(シトラール、リナロール、バニリンなど)を添加
  • 安価な精油とのブレンド(例:ローズ精油にゼラニウム精油を混ぜる)
  • 他の植物から抽出した成分を加える(例:ラバンジン由来のリナロールをラベンダー精油に添加)
  • 溶剤(エタノールやキャリアオイル)での精油を希釈、でかさましをする
  • 成分比率を操作して規格に合わせる「標準化」

これらは違法ではない場合もありますが、必ずしも消費者に明示されているわけではありません。そして、添加することで、香りとしては良い印象を持つことがあっても、天然の精油が持つ複雑さや植物本来の力、安全性は損なわれている可能性があります。

混入されやすい精油の例

ラベンダー、ローズ、ティートリーなど特に偽和が多いとされる精油はコストや生産条件が厳しいものです。

ラベンダーの場合、干ばつや猛暑など気候変動の影響で収量が減少し、化学成分のバランスも変化することが報告されています。にもかかわらず需要は高く、品質と供給量を保つために添加物を加え、偽和が行われやすくなります。

ローズ精油は、1キロの精油を得るのに最大で3,000キロの花びらが必要とされ、収率はわずか0.015〜0.048%です。このため、ゼラニウム精油やエタノールなどを用いて香りを模倣するケースも業界報告で確認されています。

また、ティートリー精油はオーストラリア政府により「テルピネン-4-オールが30%以上、1,8-シネオールが15%以下」という品質基準が定められています。これは品質保護の目的で設定されたものですが、その基準に合わせるために人工的に成分比率を調整する「標準化」という調整が行われることもあります。

ごく少量の他の天然精油を加える行為が有害なものになるというわけではありませんが、そのボトルの中身が本来のものとは異なるものになってしまいます。こうした行為が積み重なることで、業界全体への信頼が損なわれ、誠実に製品づくりをしている生産者が不利になるだけでなく、消費者も本当に何を手にしているのか分からなくなってしまいます。

私たちにできること?

偽和を見極めるためのポイントをいくつかご紹介します:

  • ラベルを確認. 学名、抽出方法、ロット番号、原産国などが記載されているかをチェック。
  • 香りを観察. 天然の精油は多層的で時間とともに香りが変化しますが、偽和されたものは平坦で強すぎたり甘すぎたりする傾向があります。
  • 品質に関するデータを求める. 信頼できる販売者は、GC-MS分析やロット別の成分表を提供してくれることが多いです。
  • 値段を確認. たとえばローズ精油10mlが1,000円など、不自然に安いものは疑ってみることも大切です。
  • 気になることがあれば販売者に質問してみる. 製造背景や品質管理について丁寧に答えてくれるブランドは、透明性のある信頼できる存在です。

なぜ知っておくべきなのか?

「偽和」という言葉には、少し強い印象を受ける方もいらっしゃるかもしれません。ですが、私たちがこのテーマを記事にしたのは、決して不安をあおるためではなく、精油について正しい知識を持ち、自分自身で納得して選べる方を増やしたいと考えているからです。

偽和された精油がすべて危険というわけではありません。添加された成分が天然由来で、自分にとって心地よく感じられる香りであれば、個々のご判断で使用していただくことももちろん可能です。

どんな成分が、どのような理由で加えられているのか。そうした背景を知ることで、精油を選ぶ際の視点が深まり、日々の選択により確かな手応えを感じていただけると考えております。香りをブレンドを楽しむときも、新しい精油に出会ったときも、このような知識が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。

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