
ラベンダー(真正ラベンダー)は 、精油の中でよく知られた香りで 用途の幅が広く 多くの人に愛されています。その香りは心地の良いフローラル調で甘く、優しさを持ち、微妙にハーブの香りが加わっています。鎮静作用やリラックス作用が広く認知されており、アロマセラピーでは、リラックスを促し、ストレスや不安を軽減し、睡眠の質を向上させるとして広く活用されています。
ラバンディンはラベンダーの品種の一つで、カンファーの濃度が高く、ラベンダーに比べるとより力強く刺激的な香りが特徴です。その防虫剤で知られる樟脳に似たような独特な香りは、香水や化粧品の分野でも人気の一つとなっています。ラバンディンはアロマセラピーではリフレッシュや集中力アップなどに 多用されていますが、強力な抗菌、 抗真菌作用を持つため、空間の浄化や 感染症、カビ予防にも活躍しています。

ラベンダー精油の香りは、さわやかなそよ風のように空気に浸透します。その香りはフローラル、ハーバルで甘いノート、深みのある豊かな自然の香りが相まって、全体的にバランスのとれた穏やかさを持つ香りを作り出しています。このラベンダー精油の香りに比べ、ラバンディン精油はよりスッキリしたシャープな香りです。全体的にフレッシュでクリアな印象があります。
フランス南部に位置するプロヴァンスは、果てしなく続く広大なラベンダー畑で知られています。ラベンダー栽培は19世紀にプロヴァンスの農業経済の重要な部分となりました。「世界の香水の都」として知られる近隣のグラースで香水産業が発展したことにより、ラベンダー精油の需要が高まりました。その結果、プロヴァンス全域でラベンダーの栽培が急速に拡大し、とりわけヴァレンソル高原のような、ラベンダーの生育に適した土壌と気候を持つ地域で盛んになりました。いくつかの研究では、プロヴァンスのような高地で栽培されたラバンディンは、より複雑な香りとセラピー 等級のより高品質な精油を生産する可能性があると示唆されています。
夏になると、高さ50センチほどのラバンディンが豊かに咲き誇り、ボリュームのある紫の絨毯を敷き詰めたような 見事な田園風景が広がります。紫の花 から漂う強い香りは風に乗って 舞い、自然の美しさとロマンを描き出します。
ラベンダー精油とラバンディン精油の主な違いの一つは、ラバンディン精油が飛び抜けてカンファーを多く含んでいることです。カンファーは強力な抗菌、 抗炎症作用を持つ成分で、傷や切り傷のケアに役立ちます。また、去痰作用を持つ1.8シネオールも含まれ痰や粘液の除去を助け、咳や風邪の症状を軽減することで呼吸器系の健康をサポートしてくれます。さらに神経系に対して鎮静作用のある酢酸リナリルとリナロールが含まれており、これらの成分の働きでストレスや不安の症状を軽減し、心身をリラックスさせる効果もあり、眠りにつく準備を整えやすくし、より安らかな睡眠体験をサポートしてくれるとも言われています。
ラバンディン精油の作用:
- 神経の高ぶりやストレスを軽減し、心身のリセットをサポートします。
- 去痰作用を持ち、気管支炎や喘息などの呼吸器症状を緩和します。
- 鎮痛作用を持ち、筋肉や関節の痛みを和らげます。
- 抗炎症作用により、肌細胞の再生を促すとされ スキンケアに期待されています。
- 抗菌・防虫作用の働きで部屋を浄化し、空気の改善や感染症の予防、虫除けに役立ちます。
おすすめの使い方:
- 空気の浄化: ディフューザーの容器に1~5滴を加えて使用する、またはサシェにコットンやウッドピースなどを入れ、1~2滴垂らして部屋に置いて空間をリフレッシュします。
- フェイスケア: 洗面器に40°cくらいのお湯を入れ、1〜2滴 加えて混ぜたら湯気を顔にあてて、フェイシャルスチームを行います(※精油が目に入らないように必ず目をつぶって行いましょう)
- ボディトリートメント: キャリアオイルで1%を目安に希釈して、ボディケアを行います。
- アロマバス: 浴槽に無水エタノール等で希釈した精油を1〜3滴入れてよく混ぜ合わせてから入浴します。