天然の精油は、芳香拡散や香りの吸入、ボディケアなど幅広い用途で長く親しまれてきました。しかし、精油を皮膚に使用する際には安全性と有用性の両方を確保するために、適切に希釈することが基本原則となります。ここでは、精油を皮膚に直接使用する前になぜ希釈が必要なのか、そして適切な希釈率の考え方についてご紹介します。

なぜ精油は皮膚に使用する前に希釈する必要があるのでしょうか?
精油は植物由来で自然なものですが、葉・花・果皮・根などから抽出された生理活性を持つ化学成分(リモネン、リナロール、オイゲノール、シトラール、メントールなど)を高濃度に含む混合物です。これらの成分は心地よい香りやさまざまな作用をもたらす一方で、濃度が高いため体質や使用方法によっては、ごく少量でも皮膚刺激やアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
精油を希釈することで、こうした活性成分の濃度を下げ、皮膚への刺激リスクを軽減することができます。希釈は単なる安全対策にとどまらず、皮膚に余計な負担をかけることなく、精油の持つ本来の魅力を穏やかに楽しむための大切な方法でもあります。
また、精油はキャリアオイルと混ぜることで、皮膚へのなじみが良くなります。精油は揮発性の高い芳香成分であるのに対し、キャリアオイルは揮発しません。両者をブレンドすることで、香りが皮膚にとどまりやすくなり、より穏やかで心地よい使用感が得られます。


キャリアオイルとは?
キャリアオイルとは、ホホバ油、アーモンド油、ココナッツ油など種子や果実、核から得られる植物油のことを指します。香りが穏やかで揮発しにくいため、精油を安全に皮膚へ届ける役割を果たします。
精油と合わせて使われる主なキャリアオイル:
- ホホバオイル: 軽くベタつきにくい質感で敏感肌を含む多くの肌質に適しています。皮脂と構造が似ており、肌のバランスを整え、保湿効果に優れています。
- ココナッツオイル(低温圧搾): 高い保湿力があり、乾燥肌やボディマッサージに適しています。一方で毛穴を詰まらせやすい性質があるため、脂性肌やニキビができやすい肌の顔への使用には注意が必要です。
- アーモンドオイル: 普通肌から乾燥肌に適しています。ビタミンE・Aや脂肪酸を豊富に含み、肌を柔らかく保ち、弾力を与えます。
- グレープシードオイル:軽く吸収が早いため、脂性肌やニキビができやすい肌に適しています。毛穴を詰まらせにくく、抗酸化成分も含まれています。
- オリーブオイル: ビタミンEやポリフェノールなどの抗酸化成分を豊富に含み、乾燥肌やエイジングケアに向いています。脂性肌やニキビができやすい肌の場合は、事前のパッチテストをおすすめします。
- アルガンオイル: 敏感肌やエイジング肌に適しています。ビタミンE、脂肪酸、抗酸化成分を含み、肌を柔らかくし、弾力を高めます。

Dilution ratio
精油の希釈率とは精油原液が全体の混合液(精油+希釈剤)に占める割合(%)を指します。これは、特に皮膚に直接使用する際の安全性と有用性を確保するうえで、非常に重要な考え方です。
希釈率の計算方法
希釈率(%)= 精油量(ml) ÷ 混合液の総量(ml) × 100
※ 計算を簡単にするため、精油1滴=約0.05ml とするのが一般的です
換算例:
- 1%希釈: 精油1滴+キャリアオイル5ml(または 精油2滴+キャリアオイル10ml)
- 2%希釈: 精油2滴+キャリアオイル5ml (または 精油4滴+キャリアオイル10ml)
- 3%希釈: 精油3滴+キャリアオイル5ml(または 精油6滴+キャリアオイル10ml)
アロマテラピーにおける精油の希釈率は、精油の種類、使用目的、使用者、そして使用部位によって異なります。一般的に、成人の皮膚への使用では約1~2%の希釈が目安とされています。一方で、妊娠中の方、子ども、敏感肌の方が使用する場合は、より低い希釈率を検討することが望まれます。
日本アロマ環境協会(AEAJ)の推奨希釈率は以下です。
- 身体への使用:1%未満
- 顔や敏感な部位への使用:0.1~最大0.5%
精油を正しく希釈することは、基本でありながら非常に重要な工程であり、皮膚に使用する際のリスクを抑えつつ、精油をより効果的に活用するために欠かせません。適切に希釈された精油は本来の特性や有用性を保ちながら、日常のボディケアにも安全かつ取り入れやすくなります。本記事の内容が日々の暮らしの中で精油をより安全かつ効果的に活用していただけるための一助となれば幸いです。
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